AOKIの商品はどうやって生まれている？アクティブワークスーツ開発秘話をインタビュー！

1.固定概念にとらわれずより良い商品をお客様に届けるのが創業時からのAOKIの想い

2.材料調達から一貫して担うからこそ追求できるより良い商品へのこだわり

3.EC限定販売の人気商品、アクティブワークスーツはどうやって生まれた？

4.衣服×健康でよりお客様のライフスタイルに寄り添った提案を

ビジネスファッション応援プロジェクトメンバーのみなさん、こんにちは！今回はメンバーのみなさんからもご要望が多かった「AOKIの商品開発の裏側」についてお送りいたします！
これまで洗えるスーツやパジャマスーツなど、既存のスーツの概念に捉われず人々のライフスタイルに寄り添った商品はどのように生まれてきたのか？そんな疑問を商品企画部を立ち上げ、現在はネット通販事業部にて商品開発とマーケティングを務める本田にインタビューしました！
AOKIの商品開発へのこだわりから現在オンライン限定販売で好評をいただいている「アクティブワークスーツ」の開発秘話まで幅広く語っていただきます！

1.固定概念にとらわれずより良い商品をお客様に届けるのが創業時からのAOKIの想い

ー本日はありがとうございます。最初に自己紹介をお願いしてもよろしいですか？

私は専門学校を卒業後レディースアパレルブランド、メンズアパレルブランドそれぞれの勤務を経てAOKIに入社をしました。入社後は商品企画部を立ち上げ、個々の商品ではなく全体のコーディネートとして販売していくための企画開発やマーケティング戦略に数十年携わってきました。現在はネット通販事業部でECサイトを起点とした新商品の開発やマーケティングを行っています。

ーAOKIでは既存のスーツだけでなくパジャマスーツなどユニークなスーツを次々と生み出していますが、新商品を作るときに意識していることを教えてもらえますか？

AOKIには創業当時から「より良いものを、よりお値頃に、最高のサービスで」という想いで商品開発が行われています。また、AOKIの考え「より良いもの」は時代によっても移り変わります。私たちの事業は「メンズスーツ」から始まっていますが、その固定概念にとらわれず、時代によって変わっていくお客様の求めるものに合ったものをご提案していこうという使命を持っています。だからこそ今はファッショナブルな視点だけだけでなく、今のライフスタイルに合う商品とは何か？に注力した商品開発に努めています。

ーお客様のためにより良いものを作りたいという想いが、既存のスーツに縛られずライフスタイルに寄り添ったアイテムの開発に繋がっているのですね。他にもこだわられている点はありますか？

AOKIが新商品を出す時はまずベーシックなものを展開した後、お客様の声を聞いてさらに改良を重ねて第2弾、第3弾と次の商品の開発をしています。例えばAOKIのパジャマスーツも最初は王道のカラー、デザインで販売をして、店頭でお客様の声を聞いてみて、チェック柄のデザインを作ってみたり、別のカラーで作ってみたりしています。ご要望全てを一度に形にすることはできないのでどこまで汲み取っていくかの線引きが難しいところでもありますが、こうしてお客様の声を直接聞けるのは小売業の良さだと感じています。

ー商品開発をしていく上でトレンドはどのように把握していますか？

以前は世界各地で行われている展示会の情報にアンテナを張りトレンドを把握するのが主流でした。他にも朝の通勤時間帯に品川駅に待機して、道ゆく方がどのようなファッションをしているか、ビジネスウェアはどんな色やスタイルが人気なのか、といった市場調査も大切にしています。
しかし、最近ではファッショントレンドだけでなく、着心地の良さだったり、取り扱いの便利さや着回し性など、ライフスタイルトレンドにシフトしている傾向がありますよね。特にコロナ禍になった頃からその動きは顕著になりました。よって現在は、お客様のライフスタイルを大切にしています。
例えば「自宅のクローゼットってそんなに服かけられるスペースないよね、じゃあ、きちんとしたビジネスウェアでも畳めるようなアイテムってあったら便利じゃないかな？」とかそういった観点でライフスタイルのトレンドをチェックしています。

2.材料調達から一貫して担うからこそ追求できるより良い商品へのこだわり

ーAOKIではどのような流れで商品の開発が進んでいくかお聞かせください。

AOKIではVMD（バーティカルマーチャンダイジング）という材料段階からお客様の手元に届くまで一貫して行う商品開発が行われています。例えばAOKIが最初に開発した「洗えるスーツ」は、スーツが自分で洗えたら楽なのにというお客様の声から生まれました。スーツを洗うためにはどのような素材が必要かというところから企画が始まり、ウール素材を使おうとなればオーストラリアの牧場に直接交渉しに伺ったり、国内外の工場を行き来してデザインや縫製、検品相談などを密にコンタクトを取りながら、開発を進めていきます。

ー企画から商品が店頭に並ぶまでは大体どれくらいの期間を要しますか？

実際に企画が始まってから発売に至るまでは大きくいうと約1年ほどになるかと思います。ただ、その前からの構想段階から考えると、洗えるスーツの場合は3年ほどかかりました。「生地として洗うことはできた、だけど製品として売り出すにはどうか？」とか「この部分は洗っても大丈夫だけど、この部分はダメだった」とか縫製工場と連携しながら生地を作っていって、この生地なら大丈夫だ！ってなったらようやく形にしていくので、長い期間をかけて作っていく必要があるんです。

ーAOKIの商品が店頭に並ぶまでに、多くの方のたゆまぬ努力があることがとても伝わりました。ありがとうございます！

3.EC限定販売の人気商品、アクティブワークスーツはどうやって生まれた？

ーではここからはAOKIがECサイト限定で販売しているアクティブワークスーツについて詳しくお尋ねしたいと思います！まずこのスーツが生まれたきっかけについて教えてもらえますか？

アクティブワークスーツは、既存の物にとらわれずにスポーツ素材で新しいスーツを作ってみようかと声が上がったことがきっかけに生まれました。どうしてスポーツ素材に着目したかというと、昨今のライフスタイルとしてスポーティーがトレンドになってきたことと、オフィスワークの仕事が多能工化していることが理由です。
学校の先生を思い浮かべてもらうとわかりやすいと思うのですが、フォーマルな服装をしているのにデスクワークはあるしよく移動するし作業などで身を屈めることもあるしでとてもマルチに動かれていますよね。一般の企業でも1人の方がマルチに役割をこなすことが増えてきたように感じています。そんな昨今の多能工化するお仕事上の動きに対応した上下スポーツ素材のアクティブで気軽なイージースーツを作ろう。が起点になっています。

ー今回のアクティブワークスーツの設計でこだわられた点があれば教えてください。

立体的な仕上がりのスーツにすることに徹底的にこだわりました。カジュアル仕立てのお値頃なスーツを作ろうと思えば、ブルゾン工場やシャツ工場などで製造する選択肢もありましたが、「多能工、つまりアクティブで動き易い気軽なスーツ」のコンセプトを実現するためにはテーラードスーツ工場で立体縫製をしなければ実現できませんでした。
そのためコストパフォーマンスを徹底的に追求した上で立体的なスーツに仕上げることを大切にしました。
また、サイズロスの軽減にも着目しました。スニーカーにTシャツのコーデに合わせていただくことをメインに設計しているのでTシャツと同じようにS・M・Lのシンプルなサイズ設定にすることで、在庫上のサイズロス軽減ができました。

ーアクティブワークスーツを作る上で課題に感じたことはありますか？

EC販売だからこその悩みでもあったのですが、アクティブワークスーツをどのように配送するかということに課題を感じていました。従来のクラシックスーツの場合保管用のハンガーやテイラーバッグを添えて大きな箱で配送しますが、アクティブワークスーツを同じように配送すると気軽に洗えてしわが気にならないというコンセプトに合わないのではないかと考えました。箱が大きければその分運送費も上がりコストがかかってしまうので、スーツ保管用のハンガーはつけなくて良いのではないかとか、いろいろ考えましたね。
最終的に気軽さというコンセプトを体感していただくためにシャツやトレーナーをお送りするような方法で発送することにしました。

ーアクティブスーツはEC限定販売となっていますがその理由を教えてください。

「手軽に購入できるスーツ」としてご利用いただきたいという思いからEC限定販売という方法を選びました。通常のスーツの場合店舗にご来店いただきサイズを測り、1cm単位を大切に丈を直して…という流れになりますが、このスーツはS・M・Lのカジュアルウェアの様なサイズ展開で販売する商品なので店舗に行かなくても購入できるスーツとして販売したい思いがありました。
また、サイズを合わせるといったことや店舗に移送して綺麗に陳列する必要もないため価格を抑えてコスパを追求した商品を実現しようと考えたのもEC限定販売を目指した理由の1つです。

4.衣服×健康でよりお客様のライフスタイルに寄り添った提案を

ーアクティブワークスーツが完成した時の感想を教えてください！

藤沢に物流センターがあるのですが、スーツの開発に関わったメンバーと最初の検品に立ち会った時に、「よくできているなあ」という言葉が最初に出ました。（笑）
Tシャツと同じようにぺたっと畳んで梱包をしていたので、箱を開けて最初に見た時はその場にいるみんながスーツなのにこれで本当に大丈夫かと思ったみたいです。（笑）
そこで実際に開封して着用して見た時にしっかりとアクティブワークスーツとして想定していたシルエットが再現できていたので、ほっと胸を撫で下ろした時に思わず出た言葉でした。
また、ECサイトの販売ならではですが、全国のお客様からの声が直接届くのでとてもありがたいです。改善するところはもちろんありますが、お褒めの言葉をいただいた時は大変嬉しく思っています。

ー最後に今後の構想や力を入れていきたい商品開発があればお聞かせいただけますか？

私個人としては今後アクティブワークスーツのようにECサイト関係の新しい商品やマーケット開発に力を入れていきたいと考えています。オンラインで洋服を売るのは、実際に素材を触れなかったりサイズ感が分かりづらいなど様々な課題もあるのでどのように商品を紹介していけばいいか、難しい部分もあるのですがECならではのお客様とのコミュニケーションの取り方を模索しつつ、店舗に行かなくても気軽にAOKIの商品を購入できるようにしていきたいです。
また、新商品としてはウェルネス系の商品開発に力を入れたいと思っています。昨年は着るだけで疲労回復効果が期待できる「RECOVERY CARE+ リカバリーケアプラス（R）」というアイテムを販売しました。私自身もそうですが、やはり健康は欠かせないと思っているので、我々が扱う洋服でどのようにお客様の健康をサポートしていけるか？をこれからも注力していきます。

革新的な商品開発に携わり続ける本田に、AOKIの商品作りへの想いから大人気商品アクティブワークスーツの開発秘話まで余すことなく語っていただきました。いかがでしたでしょうか？今後さらに注力していくAOKIのECサイトをぜひ楽しんでご覧いただけますと幸いです！

今回ご紹介したアクティブワークスーツはこちらからチェックできます！
https://www.aoki-style.com/feature/activesuit/

次回のマガジンもお楽しみに！

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